零細なWEB制作会社の辿り着いた営業方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先日書いた「フリーランスが安く見られる理由」ですが、お陰さまでたくさんの方にお読み頂きまして大変感謝致しております。

ただ一点、上記で触れられなかった新規案件を獲得する為の営業手法について、零細ではありますが、我社が行っている方法を紹介いたします。

この方法は、仕事の切れ目などでやる作業が無くなった場合に限って行っている事なので、全ての営業活動をこの方法に依存している訳ではありません。

また、必ず成約に至る訳でもありませんのでご了承下さいませ。

プロポーザルとして実際のサイトを作る

通常は、自社の会社案内や制作実績、または既存サイトの問題点など書き出した紙ベースのプロポーザルを使ったりするのでしょうが、うちの場合、下記のメリットがあると信じて、ターゲットだのコンバージョンだの勝手に想定して、いきなりサイトを作り始めます。

空き時間を有効活用できる

仕事の切れ目などで、急ぎの仕事がなくなり手持ち無沙汰になった時間を有効活用できます。

新しい技術の習得

日々発信される新しい技術や手法をその都度その都度試していましたが、汎用CMSなどサイト全体として試してみたいものもあり、検証・評価しながら作ったものが有効活用できます。

伝わる力の違い

紙ベースのプロポーザルの場合は、どうしても言葉で相手に伝えようとしますが、作ったサイトを画面上で実際に見て操作してもらう事により、ユーザービリティなど使い心地まで相手に伝える事が出来ます。

納期の短縮

実際に成約を頂いたケースで、プロポーザルの為に作ったサイトを1から作り直したケースはありません。叩き台を作ってあるので、発注を頂いてから完成・納品までの期間を短縮することが出来ます。

資料の簡略化

実際に目で見てもらう為、紙ベースの提案書は簡略化出来ます。また、実際のサイトがあるので不要との事から、現在、うちでは、発注する目安となるであろう制作実績なども出していません。お見積書と提案書の2枚だけです。

成約の確度を上げるために気をつけていること

ターゲットとなる顧客の選定

営業マン時代のセオリーとして、間引きをせずに片っ端からアプローチせよと教わりました。これは、「この会社は儲かってなさそうだから行くのはやめておこう」といった見た目や雰囲気などから感じる個人の主観でターゲットを選別するなと言う事なんだと思いますが、営業だけやっている人ならともかく、こちらは実際の制作作業の他に金策やら雑務やらまでやらねばならない身ですので、そんな事はやっていられません。特定の業種やら条件でアプローチするターゲットを選別しています。

1.わりと近場である事
これは、個人によって感覚の差があると思いますが、要するに顧客となって訪問する際、負担にならない程度の距離であると言う事です。

2.「既にサイトを持っている」または「複数のカテゴリーサイトに登録がある」
必要性を感じていない人にニーズを喚起させるのはプロの営業マンでも至難の業です。私の場合は、スキルと時間の不足を感じて、こういった方々への営業は諦めました。インターネットに可能性を感じているか、サイトの必要性を認識しているところをターゲットにします。

3.儲かってるかどうか
まだまだ「サイトは集客や売り上げ増加の為の広告媒体のひとつ」と認知されている事が多いせいか、どちらかと言うとあまり儲かっていないところの方がサイト制作に対するニーズは高いのではないかと感じています。順調に売上げを伸ばし業務を拡張しようと考えている企業や店舗のニーズと言うのも当然あると思いますが、比較をした場合、どうしても前者が多くなります。
しかしながら、このニーズの高い”現状に不満を感じている「今よりも売上げを上げたいと考えている企業や店舗」”の多くは、上げたい利益を決めてからその投資額を決めるのではなく、はじめに予算を決めてから結果的にこの利益が出ましたよ的な考え方になる傾向が高いので、どうしてもコストを安く抑える事に重きをおく事になります。そうなると「フリーランスが安く見られる理由」でも述べたとおり、良い発注者になる可能性は低くなりますので、ここは思い切ってニーズの低い”順調に売上げを伸ばし業務を拡張しようと考えている企業や店舗”をターゲットにする事にしました。

“順調に売上げを伸ばし業務を拡張しようと考えている企業や店舗”の見分け方

「いつでも求人を出している」とか「チラシやら看板をよく見かける」など世間ではいろいろ言われておりますが、細かいリサーチなどはいちいち出来ないので、うちの場合は、「繁盛している店舗」に限定しました。一般企業の場合、外から中を窺い知ることは出来ませんが、店舗の場合は、「いつでも人が入っている」など一目瞭然なのがその理由です。
しかしながら、繁盛していると言う事は、あえてサイトで集客する必要はないので、違う部分でのニーズを喚起する必要があります。
うちの場合は、+@で今まで出来なかった機能を付け加えるようにしています。例えば美容院やレストラン、居酒屋であれば、予約の管理が出来る等です。そういう事で、”集客や売上げ増以外のサイトとしての価値”をアピールしています。

アプローチの仕方

1.サイトをアップロードしたURLとユーザー名・P/Wを記載したメールを送る
2.logでサイトを閲覧した事が確認できたら電話をかける
3.一度訪問させていただきたい旨お話しする
4.訪問

上記3で大体の感触がわかります。訪問までに至らない場合、ここで潔く諦めます。「せっかく作ったのだから」と言う思いもありますが、うちの場合はここで終了としています。後に繋げる為に年賀状リストに入れて、毎年年賀状を出します。何かの拍子で思い出してくれるかもしれない事を期待して、作ったデータは破棄していません。

訪問時に注意する事

1.逆選択に注意する
営業マン時代に「簡単にアポが取れたら逆選択を警戒しろ」と教えられました。これは、かかってくる営業電話やら営業マンを情報収集のツールとして利用する輩がいるので、いざ訪問しても、業界の動向やら競合他社の情報を吸い出されるだけで実際の契約には結びつかないよという事を指します。プロの営業マンなら許されるかもしれませんが、こちらにはその余裕も無いので、さっと身を引くようにします。

2.最悪の場合を覚悟する
店は繁盛していても内情は大変な事になっているお店もあります。経営不振打開の最後の一手としてサイト制作を決意するところもあったりしまして、思うような成果が出ない場合、代金回収など面倒になる事があります。夜逃げしてしまった例もありますので、最悪の場合の覚悟は常にしています。

その他

上記の方法を試してみて、現在のところ成約に至るケースは65%程度です。頼みもしないサイトが勝手に出来ているので新手の押し売りと勘違いされる事もありましたが、現在のサイトより見映えの良くなるケースが多いせいか、完成前に差し替えて欲しいと言った要望もあったりして、概ね好評ではないかと感じています。また、サイトのデザインは気に入っているのだが、「今お願いしている人とは付き合いがあるので断れない」からと別のお仕事を頂いた事もありました。仕事が無いために従業員を遊ばせている零細なWEB制作会社のみなさん、どうせ遊ばせているくらいなら、試しに勝手にサイトを作ってみてはいかがでしょうか。

最後に、この文章を掲載する事を快く了解してくださった我社のお客様に感謝いたします。

end
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1件のコメント

  1. 自分の考えた営業手法に非常に近く、実際にそれで効果を上げられているということで大変参考になりました。
    ありがとうございます。
    あ、まだ会社は作っていません。

    Reply
  2. mtdsnsk 様

    お読みいただきありがとうございます。
    上記は、あくまでも暇な時の過ごし方に絡めたお話です。
    すべての営業方法を依存しているわけではありませんのでご了承下さい。
    自分の為に精魂こめて作ったと言うのが伝われば、そうそう無碍には出来ないみたいですね。

    Reply
  3. 検索サイトから訪問しました。札幌でグラフィックデザインを中心にフリーランスでディレクション業務をしており、ほぼ開店休業状態です。我々グラフィックの手法に近いお考えで、それを実践されているように感じました。WEBデザイナーさんやWEB会社さんは、WEBサイトのデザイン制作をプロダクトデザインと位置付けされているようで、具体的な設計図が無いと仕事にかかってもらえず、自主プレゼンの必要性を分かってもらえないため、なかなか仕事にこぎつけられないでいます。しかし、世の中にはそうしたニーズ、これまでのWEBサイト制作との差別化をするために、自主プレゼンをし始めている方がいることを知り、札幌にもそうしたいるはずだと信じて、WEBサイト制作の取り込みを再稼働しようと思っています。

    Reply

mtdsnsk にコメントする コメントをキャンセル